その「検討します」はどちらの意味?メッセージには複数の解釈がありえる
こんにちわ。組織開発 がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
誰かとやりとりをする際に、相手のメッセージには複数の解釈がありえます。そして、聞き手が選んだ解釈が発言者の意図に沿っているとは限りません。
この記事では、メッセージには複数の解釈がありえるということと、それに対する発言者と聞き手のそれぞれが注意する必要があることについてまとめます。
メッセージには複数の解釈をする余地がある
メッセージには複数の解釈をできるケースがあり、聞き手の解釈が発言者の意図通りになるとは限りません。
複数の解釈が発生する背景には以下のような要素が関わっています。
言語の曖昧さ
メッセージの解釈は、言語が持つ曖昧さの影響を受けます。言語には曖昧な表現や多義的な言葉が多く、反語のような表現もあり、同じ言葉やフレーズが相手や状況によって異なる意味を持つことがあります。そのため、発言者が意図していない意味で解釈される可能性があります。
例えば、「そのうち対応します」というメッセージについて考えると、「ある程度の期間内に対応します」という意図のこともあれば、「対応の意思はあるが、対応の時期は全くの未知数で、優先度は低い」という意図のこともありえます。
文脈の違い
メッセージの解釈は、聞き手と話し手が共有している文脈に依存します。しかし、聞き手が文脈を誤解している場合や、話し手が自分の意図を十分に伝えられていない場合、解釈が異なる可能性があります。
例えば、「本当に対応する必要がありますか?」という質問があった場合、話の流れ的に「当然対応する必要はないよね?」という念押しの意味の場合もあれば、単に対応の有無が全くわからず「対応する必要がありますか?それともありませんか?」とどちらの意味か確認する意味の場合もありえます。この文脈を発言者の意図通りに解釈できることもあれば、誤った解釈をすることもありえます。
発言者として気にしておくといいこと
発言者が意図通りに物事を伝えるために気にしておく必要があることとしては以下のような要素があります。
- 複数の解釈が発生する可能性を踏まえること
- 文脈を明示すること
- 良好な関係性を保つこと
1. 複数の解釈が発生する可能性を踏まえること
メッセージの内容次第で、複数の解釈の余地が発生し、意図しない受け取り方をされる可能性があるということを踏まえる必要があります。
対策として複数の解釈が発生しにくくなるような伝え方をすることです。細かいところだと、指示語を減らすとか、主語や目的語の省略を減らすとか、などがありえます。
2. 文脈を明示すること
メッセージは文脈に関わる情報が不足していると、意図通りの解釈が難しくなります。そのため、メッセージの文脈を明示することで、メッセージが意図通りに伝わりやすくなります。
対策として話題の前提となる情報をできるだけ省略せずに伝えることです。
3. 良好な関係性を保つこと
メッセージの解釈は、発言者と聞き手の関係性の影響を受けます。
例えば、普段から良好な関係の場合、相手の発言の解釈はポジティブに受け取りやすくなり、逆に普段から険悪な関係の場合、相手の発言の解釈はポジティブに受け取りやすくなります。
そのため、仕事で関わる人との関係性はできるだけ良好であることが好ましくなります。苦手な人がいる場合も少なくともフラットな状態か、それよりも多少なりともポジティブな状態が好ましいです。
発言される側として気にしておくこといいこと
聞き手として発言者の意図通りに解釈できたか確認する上で重要な要素には以下のようなものがあります。
- 意図通りに解釈できていない可能性を考慮すること
- 傾聴をすること
- 確認をすること
1. 意図通りに解釈できていない可能性を考慮すること
発言者の発言を意図通りに解釈できていない可能性があることを考慮する必要があります。
解釈を誤ったことを発見できるかどうかは、違和感を感じることができるかどうか次第です。
- 相手の普段の言動を踏まえると違和感のある発言があったとき
- 会話の流れを考えると不自然な部分があるとき
そんなときに意図からそれた解釈になっている可能性があります。違和感を察知できたら、意図を確認する質問をしましょう。また、誰かの発言に対してマイナスな解釈がありえるときも、意図を確認できるまではできるだけ好意的な解釈をしておくと、揉め事に発展したり、不満を抱えにくくなります。
2. 傾聴をすること
相手のメッセージを最後まで聞かずに途中で反応していると情報量が不足し、意図から外れた解釈に陥りやすくなります。
相手の発言を遮らず、最後まで集中して聞くことで情報量が増え、意図に沿った解釈がしやすくなります。
3. 確認をすること
メッセージを意図通りに解釈できたかどうか不安な場合、意図通りに解釈できたかどうかを確認するとよいでしょう。
例えば、「検討します」というメッセージが「基本的には対応することを前提に検討をします」という意図なのか、「基本的には対応しないけど、あまり露骨に断ると角が立つのでするような建前として検討しますと伝えている」という意図なのか判断できない場合、実際にどちらの意図かを確認するようなケースです。
まとめ
この記事では、メッセージには複数の解釈がありえるということと、それに対する発言者と聞き手のそれぞれが注意する必要があることについてまとめました。